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自分のための幻覚

日記:結晶~Crystal Dust~聴きすぎておかしくなった

 世界、このヤバイ曲についてもっと語ってほしい。いろんな考えが聞きたい。検索が下手。
 本稿は妄想とパッションでできていて、解釈、考察、音楽、伊集院北斗要素はあまり含まれません。それと一応引用や補足は入れますがお手元に歌詞をご用意ください。



 「渇望」や「切実」あたりがテーマというか、この曲をぱっと表す言葉になるのではないかと思っている。時間がない方は先延ばしにした話(記事の半分より少し下)まで飛ばしてください。

 冒頭。『抱きしめたい貴女を心も身体も…』とサビで始まる。強い。ラスサビが1番サビのリピートなタイプなのでこのフレーズ、この曲の中で3回は聞くことになる。
 で1番。前半(冷たい夜空~眩すぎる光)はまぁいい。『無数に輝く星が~星座に変わる』星座に変わる→幾つ結ばれるのだろうかということに思いを馳せているのだろうし、一方で主人公は冷え切りながら歩いている。
 次。『今貴女は誰と』なんて??? そう、抱きしめたいとは抱きしめることができないから何回も登場したと考えられる。あと『雪が優しく堕ちる』、これはわからない。指に落ちたら溶けてしまう雪が優しく堕ちてきている。よほど冷え切っているということだろうか。死ぬぞ。

 1番サビ。冒頭のフレーズから始まって、『溶け合って結ばれてCrystal Dust』。これ、心も身体も抱きしめるの文脈からそのまま意味をとってもいいが、Crystal Dustの意味によっては取り方が変わる気がする。
 それはひとまず置いておいて続き。『暖め合おうこのまま真冬のせいにして』『さあ傍においで』○○のせいにして大先輩なことはさておき、何を言っている? サビとそれ以外で別の世界線なのだろうか。全体でふんわりとるならしきりに手を伸ばす、暖かさを求める、言い訳を求めるといったところ。ただこれだと傍においでの意味が取れないので違う気がする。あるいは、暖め合おうのくだりから寒さを言い訳においでよと一連の流れで女を誘っている。昔のキャラ付けならありえなくはない(詳しくないのでわからない)気がするが……



 2番前半。消えてく灯りの時間経過、それから家(?)にいる人々と灯りを外から観測する主人公の差。輝く星、銀世界や眩すぎると言っていた1番とは対照的に闇、『雲が空を隠してもう何も見えない…』となる。これ、サビの歌詞と合わせると不穏ではないか?
 後半。『今貴女の全て強く奪いたい…降り続く白い雪雨になるその前に…』雪がいつ雨になるかわかったものではないし、誰と、と想う余地があった1番に比べ強く奪いたいときた。切実。ちなみにこの男数年後にトライアングルを歌う。さらってしまいたい…

 2番サビ。『夢にでも永久にでも』1番であれだけ描かれていた温度が、2番では雪と雨以外出てこない。物理接触の抱きしめたいが精神の愛してたい(物理を指すことももちろんある)に変わる。これ、主人公が温度とは無縁の世界に入ったということではないかと思ってしまう。終わらないといい、ここまで丁寧に描写されてきた時間感覚もだいぶ狂っている。しかしながら、口づけてくと言っているので何かしら対象が見つかった? とも思う。これも意味が取れない。『朝が見えないように』は何もかもを隠す闇や、闇夜のせいという言い訳が取り払われること、あるいは現実世界ではないか。
 

 そして『輝けるひとつの星流星に変えて』。1番の頭を覚えているだろうか。後に願いが出ているので、いわゆる流れ星に願いをかけると取ってもいいが、わざわざ星を流星に変えている。ここでは星が星座に変わるを結ばれることだと取っているので、つまりこれは主人公と星々の間に隔たりがあることになる。星が落ちてこなければならないのだ。それから『今夜一瞬でいい』。夢でも永久にでもから一瞬と急に飛んだ。帰ってきたということだと思う。「貴女」に他の相手がいることが示唆されていることから、一晩の夢という見方もできるが、『朝が見えないように』と合わせると今晩中にすべてを終わらせなければならないことを意味しているのではないだろうか。

 ラスサビ。1番サビリピートではあるが、歌い方が違う。より感情が剥き出しになっている感じがする。さすがにこのあたりは聞く人によるので、CDあるいは配信を買おう。2000円で5曲とアリギル恋はじのインストと8分くらいのドラマパート付きなので、かなりお得。



 さて、先延ばしにした話として、Crystal Dustとは何か。まずCrystalが結晶なのはそう。原子配列がどうたらこうたらとか出てくる。あと結晶の方で出てくるのが『努力することで得られた成果』。
 Dustは十中八九クリスタルダスト自体がダイヤモンドダストからとった造語だと思うのだが、一応見ておきたい。ちなみにダイヤモンドダストは細氷と書くらしい。へぇ?
『ちり、ほこり』『~の粉、粉末』、それから『不名誉、屈辱』、そして古語・文語において『遺骨、亡骸』。なんだか伊集院北斗に関連しそうなワードが出てきた。クリスタルダストとは、「努力の遺骸」ではないか?
 「貴女」との関係がなんらかの関係で終わった主人公だが、失った暖があまりにも大きすぎた。想っても心身は冷えていくばかりだが、光がなければもう少しだけ触れてもいい。口づけたいではなく口づけてくなので、おいでと言った1番と違いもう主人公が行動を起こしている。要するにこれは、朝が来る前に決着をつける未練の清算、亡霊の成仏ということではないか。


 ワードが「渇望」「未練」に増えた。ここから少しだけ伊集院北斗のことを考える。ただ彼の解像度が死ぬほど低い。この曲は961時代の曲だ。まだ世の中がけっこう面白いと感じられるようになっていない段階の可能性がある。なにより、ピアノに前向きでない。闇夜なら動けるというのは、仕事でなければいいということではないか。そもそも961プロやめてすぐのころの、冷たい印象で真ん中にグランドピアノがある部屋(みゆじゅぴ)この曲にぴったりでは? そしてこの曲は、1夜の曲だ。朝が来れば、感傷も心身の冷えも夜に置いていけるのではないか。

 クリスタルダストに情緒を乱されたオタクはさておき、2時代のヤバめのプロフィールや若干のおもしろキャラ感からこのただ一人を本気で求める歌をぶつけられた当時のPまたはファン、どうだったのだろうか。SideMから入ったPとしては、ロマシェが完全にひとところに落ち着いて待っていて手を引いて受け止める曲に対しさ迷い歩くクリスタルダストを浴びてもうメチャクチャになった。


 最後に絶対これは外せないんですが伊集院北斗(CV.神原大地)歌がうま~~~~~い!!!!!!! 感謝。前奏なしかつ弱起で突然ン抱き締めたい~を聞かされるこっちの身にもなってほしい。あと今貴女は誰とを除いて頭~2番終わりまではだいたいブレス音が抑えられているんですが、どうか届けのところではっきりと息を吸うのを皮切りにラスサビはかなりブレスが聞こえる気がする。「どう見えるか」を意識している高Vi値の歌い方。単純に聞き取れていないだけの可能性はあります。天ヶ瀬のえーぅほどはっきりはしていないけどをーぅが好き。むしろ発音全体が好きだ……もしかして伊集院北斗が好きなんじゃないか? たぶん違う。違うはず
 ところで作詞作曲の何もかもが違うので点と点でしかないものの奇しくも桜庭ソロ曲「Because」も同じ始まり方だ。


 またふんわりしたまとめになってしまった。こじつけ幻覚ミルフィーユではあるが、この曲の一つの聞き方としてこういうものがあってもいいと思う。あと人類はこの脳を狂わす曲もっと聞いてほしい。布教にはハマっている姿を見せるのが一番と聞くので。